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「美少女……だと!?」
俺は教卓前で自己紹介を終えたピンクのツインテールっ娘に目を奪われた。
スタイルこそ小学生だが、その可愛らしさと将来性にはそこらの奴では相手にならない。
更には、ツインテールっ娘はキンジのベルトを持っていた。
キンジのベルトを所持している美少女。
キンジの、ここ重要。
「バカなァァァァァァ!!!!!!」
悲痛な叫び。
嗚呼。今なら俺はリア充を殺す覚悟がある。
どうしたのかと皆がこっちを向く。
実は僕、こう見えて上がり症なんです……
まあ嘘だが。
横で峰が怯んだ。
それはそうだろう。
いきなり隣にいる奴が叫んだのだから。
許さん。許さんぞ!
俺はいつかキンジを殺す!
今年の七夕は、ハーレム野郎撲滅、美少女の彼女、ニコポ&ナデポに加えて、キンジに天罰を加えなければ!
「キンジ! お前はいつの間に童貞を卒業したんだ!」
「いきなり何を言い出すんだお前は!」
「そ、そっか!」
峰は俺の言葉で気付いたのか、席を勢いよく立ち上がる。
そして分かりやすい爆弾を投下した。
「理子分かっちゃった! アリアはキーくんのベルトを持ってた! しかも二人は遅刻してきた!」
「認めん! 俺は認めんぞ!」
「つまり二人は熱い熱い恋愛の真っ最中なんだよ!」
「ガッデム!!」
俺という迷惑なBGMと峰の爆弾。
当然。周囲はざわめく。
そんな中、俺は机に頭を打ち付ける。
鈍い音が響くが机はほぼ無傷。
流石は防弾製……
感心していると──
「ひでぶっ!」
頭に銃弾が跳んできた。
俺の頭を粉砕しかけた銃弾ともう一つの銃弾と共に床に転がる。
「デコが! デコがぁぁぁぁ!!!」
跳弾じゃなければ死んでいたこと間違いなし。
机に頭ぶつけた音とかぶって発砲音聞こえなかっただと?
「れ、恋愛だなんてくっだらない!」
ツインテールっ娘が撃ったんですね。
美少女に殺されるなら本望だな、うん。
こう思える俺は正常な筈。
静寂が教室を包むと、白銀と漆黒のガバメントらしきものを収めアニメ声で叫んだ。
「次くだらないこと言った奴は風穴開けるわよ!」
開けられたいと思った俺は勝ち組だな。
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