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だけどそれは仮面でしかない。
偽りの私。
与えられた役割。決められた動き。いわば人形のようなもの。
あれ? どっちにしたって物じゃん。おもしろーい!
とにかく、そうして私は仮面を被り続ける。
その仮面は誰にも外さない。
友達にも家族にも誰にも。
私はひとりぼっちだった。
この世に住まう誰もが、私の本性を拒絶する。
私は仮面を被るしかない。
それが賢い生き方なのだと言い聞かせた。
私はそれを胸の中で繰り返し続けた。
本音を押し殺して生きることが最良。
それが出来ないヤツは惨めにいじめられて醜い自殺をするんだ、と。
だが、そこに、その生き方の中に、私はいるのか。
自分の気持ちを押し殺して、笑っているフリをして、それは本当に私なのか。
ここにいるのは私なのか。
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