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綾は一人、ちゃぶ台に向かって座っていた
綾が幻想郷に来てもう半年経った
「……半年かぁ」
「お待たせしました~」
早苗が戻ってきた
「綾くん、感無量みたいな顔してどうしたんですか?」
「いえ、もう幻想郷に来て半年経つんだなぁと思ったんです」
綾は早苗にお茶を入れながら笑った
「半年も経ったんですか……」
早苗は綾の入れたお茶を一口飲みお煎餅を一枚掴む
「早いですよね」
「確かに早いですね」
綾もお煎餅を一枚掴み一口だけかじる
「早苗さんは幻想郷に来て何年になるんですか?」
綾は八坂神社の事、外界での早苗を知らない
「えーと……二年目ですね」
早苗はそう答えると興味津々な瞳を向けた
「り、綾くんは好きな人とかいるんですか?」
綾は早苗の変化に気が付かず答える
「そんな心に余裕がありませんでしたから………
そうですねぇ…………」
綾は顎に手をやり、ぽつりと呟いた
「聖さんですかね………」
瞬間、早苗の持っていたお煎餅が砕けた
「さ、早苗さん……?」
早苗はおもむろに立ち上がると
光沢を失った瞳で綾に笑いかける
「ちょっと妙蓮寺に行ってきますね」
「さ、早苗さん……!?」
綾はふらふらと玄関へと向かう早苗を止めるために腕を掴んだ
「離してください、私は一刻も早くあの泥棒猫を排除しなきゃいけないんですっ!」
「お、落ち着いてください早苗さん!」
ドタバタとやるから早苗の足がもつれた
「きゃっ……!」
「うわっ!?」
早苗が倒れ、その上に綾が倒れそうになる
「………り、綾くん?」
「……え、えーと」
この状況、綾が押し倒した様に見える
実際は偶然なのだが
そしてお約束
「ただいま~、お土産買ってきた…………」
「早苗~、みたらし団子一緒に食べよ……………」
神奈子と諏訪子が帰宅
「「「「…………」」」」
かなり気まずい
そして
「馬鹿ぁ!」
早苗が綾に軽いビンタを喰らわせ逃げた
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