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それは六月、激しく、何度も僕達を殴り付ける雨に、耳はノイズに焼かれ、熱は体の外へ溶けだした
鼓動だけになっていく、奪うものが、一つだけに
反射的で、従順な暴力
抗えぬ欲
溶けだした熱、が、冷たい雨に打たれるその前に
ノイズの中でも確かに生きている、うるさい鼓動に噛みついた
溶けだした、瞳の黒を、探すこともせず
穴があいたみたいなそこを見つめ続ける
どこにもいない
どこにもいない
どこにもいない
どこにもいない、君は、君は、ここに、そうして奪おうとした熱はすぐに消えて、君は、冷え切った皮膚だけで否定しだして、ここに、どこに、いない、君は、君は、君は、君は!、暴力、湿った土の柔らかな匂い、ここに、ここに、張り付いた草花、激しく殴り続ける雨、否定された全てを否定して、重心を、鼓動の生み出す熱を一つに、(雨に消えてく二つの悲鳴)、貫く
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