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平行線と言うには、僕らは短すぎるんじゃないかい?
柔らかに屈折した体温が行き場を失い
もう出会えないピリオド
遺伝子は捻じ曲がっているね
遠くへ、遠くへ、そして、ここまで
正しさや間違いから、一番遠いとこまで
朧げな少女を追いかける、あるいは少年を
手の届きそうにない
完全な、遠景の幻
ここには何もないみたいに、ただひたすら、手を伸ばして、足を進めて、近づこうとする
漸近する曲線に押しつぶされながら
あそこは
理想郷
陶酔
満足
歓喜
幻想
求めて
光
音
「部屋、散らかり過ぎじゃない?」と君は言った
「せっかく時間あるし、片付けよう!」
呆ける僕を尻目に、君は部屋を片付け始める
僕は何も整理がつかないまま、きっとバカみたいな顔をしてまだ寝転んでる
「ねえ、これは捨てていい?」
「…」
「…?もしもーし?聞いてる?」
君が僕の眼を覗き込む
君が映り、僕が映り込む
…そうだな、悪くない考えだろうな
「うん、いいよ。もう捨てちゃって」
君の言うとおり、これから部屋を片付けよう
そしたらちゃんと、君と二人きりになろう
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