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施設の中は廃墟となる前のままだった。 誰かが入った形跡がない。 ―だが、何かおかしい。 俺は近くの机に指をなぞった。 「埃が積もってない。」 廃墟のはずなのに何一つ変わらず、汚れもせず ―まるで時が止まっているかのようだな。 不信に思いながら壁にある施設の電源ボタンを押したが、 反応せず明かりは灯らなかった。 「・・・電気回路がいかれてんのか?」 ―仕方がない明かりなしで捜査をするか。 俺は携帯を取り出し施設内のマップを[pioneer]本部のデータから取り出し画面に映し出した。 生命体を示すアイコンはB1Fの機関室に赤く表示されている。 動く様子もないので無駄な追いかけっこしないですむからありがたい。 「早く終わらせるか。」
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