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「綾ちゃん、このショートケーキできあがったから並べて」
「はい、わかりました」
綾は大学生活と共に、最寄駅近くのカフェでアルバイトを始めた。
人生初のアルバイトだったが、
サークルの先輩であるニ階堂伶二と偶然にも同じバイト先で、仕事の手順や困った時に何かと彼を頼りにしていた。
「綾ちゃん、小説の進み具合どう?」
「え? えぇ…それが全然ネタが思いつかなくて…最近はダメですね」
綾の所属する小説同好会は少人数で、こじんまりとしたサークルだった。
綾は大人数の中で行動するのが苦手だったため、それなりに居心地はいいと思っていた。
小学生の頃から文章を書く事が好きで、あの頃自由帳に書き溜めた小説は、
今考えると稚拙で、お粗末なものだったが、ネタに詰まった時は、
その当時の自由帳を見返したりしていた。
『そういえば、私なんで小説が好きなんだっけ?』
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