第一章 追憶の香り

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 すらっとした身長に清潔感のあるシンプルな服装で、 その青年は綾を見据えながら口元に笑みを浮かべていた。 「あなたは…誰?」  綾は挑戦的な表情の中に それでいてなんの屈託のない青年の面持ちに つい警戒心をも緩ませ、 その声の主に見入ってしまっていた。 「じゃあな」 「え? あっ、ちょっと」  名を名乗るでもなく、その青年は綾に一通り目を通すと、 軽く片手を振ってその場を去ってしまった。
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