魔人、少女と出会う

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「暮らすって・・・呑気過ぎないかしら?ここが落とされたって情報は他の国にも伝わっているはずなんだけど」 「兵隊みたいなのが来るんだったら丁度良いじゃねーか。俺は死にたいんだよ」 「は?」 アリアスは秋春をまじまじと見る。 「死にたいのに人を殺して生きてるって矛盾してない?」 「分かってねーな。ただ死ぬだけならとっくに死んでるっつーの。俺は道端にいる蟻みたいに踏んで殺しちまったけどそれを気づかれないみたいな感じで殺されたいんだよ」 「無感情に一方的に殺されたいってこと?」 「まぁそんな感じだな」 そんな事を笑いながら話す秋春を不気味に思いながらもアリアスは安心感を感じていた。 ーーまるでボリスといるみたい。 実際には全く似ていないのだが何故か気になって仕方がない。 「秋春って家族とかいるの?」 「俺が生まれた時に死んだらしい。詳しくは知らね」 「ふ~ん」 やがて城の城門に到着し、秋春が足で開けると一面は血まみれになっていた。 「何これ」 「抵抗するからこうなっちまったんだよ」 「悪魔ね」 「俺ほど平和を愛してる人間はいないぜ」 にやっと笑う。 「臭いし最悪ね」 死体を前に怯えることなくアリアスは鼻をつまむ。 「問題ない。その内綺麗に掃除してくれるやつを探すさ」 「無理ね。アナタが殺すもの」 「おいおい。俺は女は殺さないぜ?」 「嘘ばっかり。現に殺してるじゃない」 足元を指差すと女性の足らしきものが転がっていた。 「これは女じゃない。ゾンビの足だ」 「ゾンビ?」 「あまりにもしつこいから千切ってから焼いたんだよ」 アリアスはしゃがみこんで見る。 「これ・・・魔族のアンデットよ・・」
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