1章

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いつもの作業、これは毎日の日課になっている。  まず、パソコンでオークションサイトを開く。買うんじゃない。売るのだ。 それと同時に右側にあるモノを取る。 今人気の魔法少女アニメに出てくる主人公のフィギュアだ。 ピンク色に塗装されたそれは、日本でも3人しか持っていないと言われる超プレミア品。 それだけの代物だから売るのはもったいないが、それよりも欲しいゲームソフトがあり、買うにはお金が必要だった。 今の職はノーギャラ制なので、夢を叶える魔法少女の力を借りゲーム資金を手に入れるため、なくなく手放す事にした。 「ふ…ふふふ…」 後悔か期待かは分からないが、俺は何故か笑ってた。 しかし、これは集まるぞ…  予想通り、始めた瞬間に原価の額があがった。 ちなみに原価は買った当初より高めにしてある。 軽く万は超え、それでも勢いは止まらない。こんなにも食いつくものなのか。 「いいぞ、もっと上がれ」 あっという間に手にしたことのない桁数になった。 この調子だ。このまま上がれば、欲しいゲームソフトが何本も買える。 その額、ウン十万。 期待以上の額に涎が出そうになるが落ち着け、家治。 高鳴る胸を押さえ、ある程度静かになったオークションに手をかけようとしたその時… 辺りがまた暗闇に覆われる。まさか。
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