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そういう事なのだろうと一応理解する。
「これから宜しくお願いします、恋様」
「様着け…駄目」
「いや、しかしこれは私のけじめというか」
「敬語…駄目」
困った、何て反応すればいいのだろう。
平社員がいきなり社長という天と地の身分の差がある方に、社長に敬語使うな言われた時と全く同じ。
あり得ないが今それと同じ状況が今目の前に起こっている。
しかし、恋様はかなり真剣に俺を見つめ、『敬語使ったら斬る』とでも言っているかのような…というか先程から恋様の得物の刃がキラキラと光って見えるのは俺だけなのだろうか?
もしかするとこのまま死んで終了するやつなのか?
ため息を吐き、そして頭を下げた。
「これから宜しくお願いします、恋殿。恋殿在る限り俺、臧覇在りです」
新たな主、恋殿はコクリと頷いた。
「おいで、耀永」
「あの恋殿、思ったのですが俺は犬ですか?犬なんですか?何故手をパチパチと叩いて『おいで』と?」
「?…臧覇、耀永(いぬ)」
「あ、あれ?俺の耳が悪かったのかな?どうも耀永の部分が『犬』と聞こえたんだけど…」
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