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「あ、の!!メアド教えてくんない?」
「……はぁ?」
驚いてまじまじと彼を見る。
八神は目線を真っ直ぐ返して僕の返事を待っているようだ。
メアド……?僕のメアドを知ってこいつに何の利益があるんだ?
「八神くんっ」
呆気にとられている隙に、八神が好きだと日頃から公言している生徒が割り込んできた。
「なんでこんな平凡のメアドが知りたいのっ?」
「こんな平凡って……。失礼だよ、涛川」
「だって本当のことだもん。平凡、平凡、平凡っ!」
「……なーみーかーわ!それ以上言ったら怒るぞ?」
「ちょっと涛川、抜け駆けズルいよ!!八神くんっ、僕とも話そ!」
「いや、今は藤堂と……あれ?」
ぎゃーぎゃー喚くのも気にせず、僕は第三者が来た瞬間自席についた。
特に涛川は普段から五月蝿いからあんまり関わりたくない。
平然と本を開くと、後ろに旭が腰を掛けたらしく、グイッと左腕を引かれた。
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