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興味なんて一ミクロンもなかったが、余りにも静まり返る教室を不信に思い前の方に目を向けてみた。
見るからにサラサラとした金髪。
カラコンだろうか、真っ青な目。
日本人には似合わない筈のそれが
綺麗に引き立つ、この世の物とは思えない程均整のとれた顔。
座って見ても分かる長い足に、着崩した制服から覗く胸板はがっしりとしていて男らしい。
かと言ってチャラチャラしている訳でもなく、理知的な雰囲気が漂っている。
…………成る程な。
容姿で人の価値を図るような此処の生徒達が声も出ない訳だ。
ある意味感心して転校生を見つめる。
…………目があった。
しばらく見つめあっていたがやがて興味が失せ、すっと目を逸らした。
……………………ん?
僕はこいつの世話をしないといけないのか?
ちょっと待て、それこそ冗談じゃない。
下手に美形には近づかないのが僕の信条だ。
特に、この転校生は瞬く間に人気が出るだろう。
近くにいてとばっちりを受けるのなんて御免被る。
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