卵かけご飯は5日で飽きる

15/36
2109人が本棚に入れています
本棚に追加
/73ページ
興味なんて一ミクロンもなかったが、余りにも静まり返る教室を不信に思い前の方に目を向けてみた。 見るからにサラサラとした金髪。 カラコンだろうか、真っ青な目。 日本人には似合わない筈のそれが 綺麗に引き立つ、この世の物とは思えない程均整のとれた顔。 座って見ても分かる長い足に、着崩した制服から覗く胸板はがっしりとしていて男らしい。 かと言ってチャラチャラしている訳でもなく、理知的な雰囲気が漂っている。 …………成る程な。 容姿で人の価値を図るような此処の生徒達が声も出ない訳だ。 ある意味感心して転校生を見つめる。 …………目があった。 しばらく見つめあっていたがやがて興味が失せ、すっと目を逸らした。 ……………………ん? 僕はこいつの世話をしないといけないのか? ちょっと待て、それこそ冗談じゃない。 下手に美形には近づかないのが僕の信条だ。 特に、この転校生は瞬く間に人気が出るだろう。 近くにいてとばっちりを受けるのなんて御免被る。
/73ページ

最初のコメントを投稿しよう!