卵かけご飯は5日で飽きる

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ああ…………。 何で僕がこんな目に……。 べっとりと髪についた生卵を ハンカチで拭いながら、 僕、藤堂棗は小さく溜め息をついた。 「ちょっと!!!聞いてんの、 藤堂棗!! 平凡のくせにシカトとか生意気なんだけど!!!」 きゃんきゃん騒ぐ煩い小動物。 一人ではない。 彼らは一人で行動など出来ないのだから。 「……勘弁して下さいよもう」 表情を変えずボソッと呟くが、 自分たちの主張を喚くのに忙しい奴等には聞こえなかったようだ。 藤堂棗。高校1年。 僕を一言で表すなら平凡、 正確には中の上といったところか。 生まれてこの方、自分から進んで何かをした事がほとんどない。 よって、ほとんど面倒事とは無縁の生活をしてきたつもりだ。 そんな人畜無害な僕が何故、 こんなウザめな奴に絡まれ、 挙げ句の果てにさっき生卵をぶつけられたかと言うと、 時は1ヶ月前に遡る。
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