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と思ったら旭の腕が膝の裏と背中に回り、ひょいっと抱き上げられた。
所謂お姫様だっこというやつだ。
「あはは、そんな露骨に嫌そうな顔しないでよー」
それはそれは楽しそうに階段を上る旭の横顔を睨み付ける。
「今すぐ降ろせ」
「やあだよー」
「ふざけるのもいい加減にしろ。寝首かくぞ」
「え、夜這いきてくれるってこと?」
「日本語不自由か」
軽口を叩きながらも足を止めない旭を本当に殴ってやろうかと思い、そのときの自分の利益と被害を考えてやめた。
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