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時谷 旭(トキガヤ アサヒ)
高校入学後できた数少ない友達の一人だ。
親は大企業の重役らしい。
出席番号が近く席が前後で、
「とーどーなつめくんー?」
「藤堂棗だ。と・う・ど・う・な・つ・め!」
「えー、俺そう言ったじゃーん」
「あ、悪い。余りにも頭の悪そうな発音に耐えられなかった」
というような会話から話すようになった。
「それにー、この国ホモしかいないならー、棗もホモってことになるよねー」
「…………」
「めんどくさくなったら黙るの悪い癖だよー?」
けたけた笑う茶色い髪を見て溜め息をついた。
旭は、茶色い髪に目。
ほどよく筋肉がついた身体に、
カッコいい系の整った顔。
つまり、モテる。
男子高であるここですら。
神無月学院は先程述べた通り、全寮制の男子高だ。
試験の難しさから外部生はいないに等しい。
小学校から男に囲まれて生きてきたやつが殆どと言うことだ。
よって自然に恋愛対象が男になるらしい。
最初に聞いた時は愕然としたが、なにぶん僕は人畜無害の普通の人なので被害はないだろうと思っていた。
だがそれは考えが甘かったと言わざるを得ない。
事実上、しっかり僕にも被害が来ているのだから。
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