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平凡の癖に!!
ことあるごとにそう言って"アイドル"同然である旭と一緒にいることを詰るクラスメート達。
親衛隊とかいう前世代の追っかけ集団までいるらしい。
正直悲しくもでもなんでもないが、少々面倒だ。
いや、ある種のもの悲しさはあるけど。
旭は学年で三本の指に入る程の人気がある。
文句を言われる主な原因がその人気のある旭と共に行動しているせいだと知ったとき、全力で奴から離れようとした。
しかし、その際の執念とも言える余りのしつこさに最近は諦めかけている。
「……旭から離れればもう少し楽になると思うのだが」
「あっ、またそんなこと言ってんのー?
俺は棗と離れるとか絶対嫌だからねー!」
溜め息混じりに呟いた独り言に過剰反応した旭がぎゅっと抱き着いてきた。こいつはスキンシップが激しすぎる。
「やめろ離せ!」
「だーめー」
「駄目じゃない!」
「だって棗の諦めが悪いからー、お仕置きー?」
「台詞が寒い!」
それに何故お仕置きなどを旭から受けないといけないのか。
とりあえず、現場を見られたらまた面倒なことになる上に暑苦しい。
「分かった、分かったから離せ」
「……しょうがないなー。ったく、そんなに嫌がらなくてもいいのに……」
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