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ふぅ、と一息ついてからなるべく気付かれないようにそっとドアを開けた。
いつも通り騒がしい教室。
気付かれなかったか…!
そんな淡い喜びは数秒で消え去った。
「あっ、時谷くん!」
「え!?」
きゃーきゃー女子みたいに騒いでた内の一人が旭に気付いて声をあげると、そうゆう系統の奴(女々しい奴)が全員こっちに寄ってきた。
………いや、寄ってきたなんてものじゃない。
猪の如く突進してきた。
ドンッ
避けようとする暇もなく突き飛ばされ、びたんっ!と顔から床にダイブする。
…………痛い。
……全く理不尽な災難だ。
ここは堪えるが、明日の朝屋上でまた叫ぼう。
声に出さずに決め顔をあげると、手が差し伸べられてることに気付き上を向く。
その手の持ち主をみた瞬間、"無表情"な僕にしては面白いくらい顔が歪んだことを自覚する。
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