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「ねぇ…君…
そんなに僕の事が好き?」
「ふ…ふ…ふ…ふわいっ!」
…ふわいって何それ…
「じゃあ…キスしてもいいの?」
「!!!」
完全にテンパったその子は僕を見上げて再び機能停止。
ヤバイ…マジで面白い…
すっとその子の頬に僕は指を滑らせた。
「だって僕の彼女なんでしょ?」
今にも泣き出しそうな顔のその子にゆっくりと顔を近づけて行った時
「コラッ!太陽っ!!」
ドアをバタンと開けて仁王立ちする雫の登場。
思わずチッと舌打ちしてしまった僕を鞄で思いっきり殴った雫は
「アンタいい加減にしなさいよ!
いったい何人の被害者出したら気が済むの!
楓ちゃん、大丈夫?!
アホ太陽に何かされなかった?!」
そう言いながらそのちっこい女の子の顔を覗き込んでる。
「雫…なんで僕の邪魔するの?
その子と僕は付き合ってるんだけど…」
「ふざけんじゃないわよ!
やる事やってすぐに捨てるくせに!
だいたいアンタこの子の名前すら知らないでしょう!」
…ホントにウザい女…
「楓ちゃん、コイツはね、誰にでもこうやってキスとかしちゃうようなアホなのよ?!
こんなヤツに惚れたりなんかしちゃダメっ!
目を覚ましなさい!」
「…あっ…あの…雫ちゃん…
私は大丈夫だから…」
ようやく機能再開したその子がモジモジと言い出したら、
雫は僕をキッと睨んで
「おじさんとおばさんにチクってやる!」
そう吐き捨て、女の子の手を引いて部室から出て行った。
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