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雫が出て行ったあと、僕がユニフォームに着替えてると
再びドアが開いて拓斗がクスクス笑いながら入って来た。
「またやってんの?
ホントお前ら面白れーな」
「全くウザいよ。
アイツ、僕に盗聴器でも仕掛けてるんじゃないかってタイミングで登場したし」
「雫ちゃんもそれだけ太陽の事を心配してるんだろ」
「大きなお世話なんだけどね」
ふてくされながらラケットを手に部室を出ようとしたら再び勢い良く開いたドアから今度は順平が飛び込んで来た。
「太陽っ!今、もしかして雫ちゃんここに来てたかっ?!」
って大興奮してる。
…もうそのウザさマジ勘弁。
「来てない」
冷たく言い放って部室を出る僕を見ながら拓斗が大爆笑していた。
部活を終えて僕は雪乃の家に帰っていく。
僕の両親は、海の近くに5つ下の妹の遥(ハルカ)と暮らしてるんだけど
高校だけは昔から藤森家はここの経大付属って決まってるらしくって…
今、僕は雪乃の家に単身赴任状態。
おじさんとおばさんは僕を息子のように溺愛してくれるんだけど
僕と雪乃がこういう人種って全く気付いてない。
雪乃が言うには、僕らのこの性格は藤森家の血統なんだって。
それにしても今日のあの子…
楓ちゃんって雫が呼んでたっけ。
面白い反応を示す子だったな…。
なんだか新しいおもちゃを見つけた気分。
また学校生活が楽しくなりそうだ。
僕はわずかに口角を上げながら玄関のドアを開けた。
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