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「太陽、また雫に阻止されたんだって?」
リビングでケーキをつつきながらクスクス笑う雪乃。
「…思い出したくもないから言わないで」
ふてくされながらソファーに腰かけた。
「だけど雫も良く飽きずに太陽を追いかけるわね。
あの子、本当は太陽の事が好きなんじゃないの?」
ニヤニヤしながら言う雪乃に僕はムッとする。
「絶対あり得ないし。
むしろその逆なんじゃないの?」
「そうかなぁ?」
悪戯に微笑んで首を傾げる雪乃はやっぱり悪女だ。
「それより雪乃こそ拓斗とどうなってるの?」
「はっ?!拓斗先輩なんて興味ないし!」
…あれ?
なんか雪乃、明らかに取り乱してる?
「ふーん…」
「と…ところで楓ちゃんと本気で付き合うの?」
「うーん…
でもなんかあの子、かなり面白いかも」
口角を緩めながら言った僕を見て雪乃はクスクス笑い出した。
「やっぱ太陽は罪作りの最低男ね」
「雪乃にだけは言われたくないね。
今日一緒に帰った男、また新しい彼氏なんでしょ?」
「あら、バレてた?」
「今週2人目だっけ?」
「違うわ、3人目よ」
平然と言ってのける雪乃はパクリとケーキを口に放り込む。
…コイツよりはまだ僕の方がずっとマシだな…。
そう思いながら僕はクスッと笑った。
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