1804人が本棚に入れています
本棚に追加
「アホ太陽!
アンタ楓ちゃんに何したのよ?!」
予想通り堂々と3年の教室に現れた雫が教室の入り口から大声で叫んでる。
「…雫、ここは学校だよ?」
「その学校で淫乱な事してるくせに!」
入口で仁王立ちする雫に同じクラスの女子が嫌悪感丸出しの視線を投げつけても全く怯まない雫に僕はため息をついた。
立ち上がって僕は雫の腕を引き、そのまま廊下の窓際に追い詰める。
「ねぇ…なんで雫はそんなに僕に構いたがるの?」
「はっ?!太陽がアホな事ばっかするからでしょ!」
「もしかして雫は僕が好きなの?」
「バッ!バッカじゃないの?!」
…心なしか雫の頬が赤くなったような気がするんだけど。
「楓ちゃんとはお友達に戻っただけだよ?
心配しなくても僕は雫一筋だからね」
心にもない事を吐いてやった。
「はぁぁっ?!」
「雫は素直じゃないね」
「アンタ殺されたいの?」
本当に今にも刺しそうな鋭い目つきで僕を見上げる雫。
それを口角を緩ませながら見下ろす僕。
そこにもう一人のウザいヤツが乱入。
「あっ!雫ちゃんっ!
俺、栗田順平っていいますっ!
君の事が好きだぁぁぁっ!
…って…
なんで太陽が雫ちゃんとそんな密着してんの?」
「うん、今この我儘娘におしおき中」
「我儘娘とは何よっ!」
噛みつく雫にニコリと笑って耳元で囁いた。
「もう雫は自分の教室に戻りな。
雫以上に順平はウザいから気をつけて」
「あっ!コラ!太陽逃げるなっ!」
叫んでる雫に背中を向けて男子トイレに避難。
雪乃が言った通りで
雫はもしかしたら本当に僕が好きなのかも?
お互いのファーストキスの相手だったりするし。
…したのはまだ僕が幼稚園の頃の話だけど。
でもさすがに
僕+雫=恋人
の方程式は、あり得ない。
だけど何故かほっとけない僕の大切な…
…………妹?
最初のコメントを投稿しよう!