曖昧な関係

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部活を終えて、手洗い場で顔を洗ってると 「藤森くん、少し時間いい?」 後ろから聞こえた声に僕は顔を上げて振り向いた。 茶色く染められた長い髪をふわふわに巻いてバッチリとメイクまで決めてる女の子。 唇にべっとりと塗られたグロスがキラキラと夕陽に輝いてなんだかやけにそれがセクシーだ。 「はい、良かったらこれ使って」 彼女から差し出されたタオルを僕はニコリと微笑んで受け取った。 「ありがとう、どうしたの?」 そう言いながら僕は思う。 …この子誰だっけ? 「藤森くん、私、ずっとあなたが好きだったの」 「うん、ありがとう。 …それで?」 僕の問いかけにその子はフフッと笑いながら髪をヒラリと掻き上げうなじを見せた。 …この子… 完全に僕の理性を刺激しようとしてるっぽい。 それになんだか男慣れしてる感じ。 制服のボタンは1つ余計に外されて、思いっきり胸の谷間が見てるし。 「良かったら私と付き合って欲しいの」 彼女は唇を少し開いて首を傾げ、僕をじっと見つめる。 …この子… 雪乃以上の悪女だな。 普通の男だったら確実に落ちるその仕草。 こんな子も、この学校にいたんだ…?
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