幼馴染な彼女たち

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「藤森先輩っ!あのっ…」 朝っぱらから靴箱の前で待ち伏せしてくれた女の子が顔を真っ赤にして僕を呼び止めた。 「おはよう。どうしたの?」 微笑んでその子を見つめながら心で思う。 …この子誰だっけ? 「あのっ… わ…わ…私っ…」 ハンカチをぎゅっと握りしめながらモジモジと戸惑ってるその女の子をじっと見つめる。 肩までのシャギーの黒髪に真っ黒でつぶらな瞳、目元のほくろはなかなかそそるけど、150cmくらいしかないんじゃないかなってくらいちっこい。 しかもちょっとぽっちゃり系。 …この女の子が使ってるシャンプーはTSUBAKIだな。 うん、僕もこのシャンプーの香りは好き。 だけどちょっと手入れが足りてないね。 トリートメントをもう少しマメにした方がいいかも… 「藤森先輩が好きですっ!」 「うん、ありがとう。 …それで…?」 ポカンと口を開けたその女の子が僕を見上げる。 「それで君は僕にどうして欲しいの?」 「はっ…?」 さらにその女の子が僕を見つめて問いかけたあと、握りしめたハンカチで鼻の頭をくしゅくしゅと拭いてから言った。 「あの…良かったらお付き合いして欲しいなって思って…」 「うん、いいよ」 「えぇぇっ?!」 「じゃあ、放課後、テニス部の部室に遊びにおいで」 「はっ…はいっ!!」 嬉しそうにその女の子は、バタバタと廊下を走って帰って行った。 ところであの子、誰だっけ…? そう思いつつ教室に向かおうとした僕の腕を誰かにガシッと掴まれた。
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