幼馴染な彼女たち

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「コラ!最低男! また被害者出すつもり?!」 「げっ…出た…天敵…」 僕の腕を掴んで鬼の形相で睨みを利かせるのは、幼馴染の神木雫。 僕の父親と雫の父親も幼馴染で、母親同志は親友なんて環境だったから、小さい時から兄妹みたいに育って来た。 長い黒髪はいつも手入れされサラサラでやたら眼力のある瞳にスレンダーな美人なんだけど… 母親譲りでウザいくらい熱い姉御肌の雫は2歳も年下のくせに、何故か僕にいつも命令形でものを言う。 子供の頃から僕のお気に入りのおもちゃは破壊されまくるし、我儘だし… 僕にとっては天敵みたいな存在。 「また太陽、告られたの?」 雫の隣でクスクスと笑うのは、僕のいとこ、同じく2歳年下の藤森雪乃。 僕の親父の兄さんが溺愛する一人娘なんだけど、この雪乃って女は僕よりずっと曲者で、 毎週ってくらい彼氏が変わってる。 ふわふわの巻き髪でいかにもお嬢様って感じだけど、おじさん譲りの整った顔立ちで子供の頃からモテまくり。 だけど一人の人と真摯に付き合わないからなのか、これでもまだバージンなんだとか…。 どこから見ても僕には、悪女にしか見えないんだけど…。
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