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「アンタねぇ、さっきの子、私と同じクラスなんだからちょっかい出すんじゃないわよ!」
腕を組んでまるで女王様のように君臨する雫に僕はニコリと微笑んだ。
「だって付き合って欲しいって言われたから、いいよって言っちゃったし…」
「だから!好きでもない女の子とどうして付き合ったりするワケ?!」
ずっと顎に手を当ててそれを見てた雪乃がポツリと言った。
「うん、太陽の気持ち私も解る」
「はぁっ?!雪乃まで何言ってんのっ!」
「…だって…ねぇ…」
意味深に僕に目配せする雪乃は僕と同じ人種。
「「断ったら可哀想でしょ」」
重なった僕と雪乃の言葉に、雫は唖然とする。
「…もういいわ…
最低男と最低女に付き合ってらんない」
プンプンと湯気を頭の上で吹き出しながら去って行く雫を笑いながら追いかけてく雪乃。
それを少し口角を上げながら見送る僕。
不思議な関係だけど心地いい。
それが幼馴染な彼女たち。
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