1804人が本棚に入れています
本棚に追加
雪乃と雫を見送った僕は教室へ向かって歩き出す。
「太陽くんおはよう」
「藤森先輩、おはようございます!」
何人もの女の子から声をかけられるたびに僕がニコリと微笑んで
「おはよう」
と返事をすれば、たちまちその子たちは幸せそうな顔になる。
みんなを幸せにしてあげれるんだから雫が怒る意味が僕には理解不能なんだけど…。
そんな僕の背中をパシンと叩きながら
「おい!太陽!
いつになったら紹介してくれるんだよっ!」
と絡みついて来るのはダブルスでペアを組んでる隣のクラスの栗田順平。
「ああ、雫の事?」
「雫の事?じゃねーだろ!
我が校の白雪姫とクレオパトラが何でお前の幼馴染なワケ?!
マジでムカつくわー」
…白雪姫にクレオパトラねぇ…
「なぁー頼むよー太陽くん、いや神様!仏様!
一生のお願い!雫ちゃん紹介して」
「…いやだね」
「はぁっ?!」
「僕は仏様じゃないから。
そんなに雫と付き合いたいなら自分で言えば?」
冷たく突き放した僕に、頭を抱えて
「太陽の鬼っ!悪魔っ!女たらしっ!」
と暴言を吐きまくる順平を放置して教室へと入って行った。
最初のコメントを投稿しよう!