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「うん、いいよ」
微笑んだ僕に、祐弥は頷いてから楓ちゃんをじっと見下ろした。
身長の高い祐弥と、ちっこい楓ちゃんの凸凹コンビを僕もじっと見守る。
「楓…昨日の球技大会で俺、藤森先輩に負けたけど…
ちゃんと伝えなきゃいけないって藤森先輩が言ってくれたんだ」
「…な…何よっ…」
顔を真っ赤にしながら祐弥を見上げる楓ちゃんに、祐弥はフッと笑ってから呟いた。
「俺は幼稚園の頃からずーっと楓が好きだ。
幼馴染としてじゃなく、ひとりの女としてな。
だからお前を誰にも渡したくねーって思ってる」
「…ゆ…祐弥…」
「だけど俺は昨日の試合で藤森先輩に負けたから…
お前が先輩を選ぶなら俺はお前を諦める。
俺が言いたいのはそれだけ」
楓ちゃんの頭をポンポンと優しく叩きながら微笑む祐弥をじっと見上げながら涙を浮かべてる楓ちゃん。
「藤森先輩、ありがとうございました!
じゃ、あとは楓の事、よろしく頼みます!」
爽やかに微笑んで祐弥はその場から立ち去って行った…。
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