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楓ちゃんが去ったあと、僕はしばらくその場で放心状態だった。
今まで女の子の気持ちを弄んで来た僕に
きっと神様が罰を与えたんだろうな。
久々に女の子を本気で愛しいと思えたのに。
だけど、彼女は僕じゃなくて彼を選んだ。
自業自得なんだけど、やっぱりちょっと凹む。
僕が本当に幸せを掴める日なんて来るんだろうか?
こんな風に作り笑いだけ浮かべて生きてる僕に…
…いや。
僕はきっとまだこれからもこういう生き方をして行くんだろう。
フフッと笑って歩き出したと同時に再びドアがバタンと勢い良く開く。
「たっ…太陽っ!!」
飛び込んで来たのは涙をボロボロと溢れさせた…
………雫だった。
「…雫…?どうしたの?」
驚きながら尋ねた僕に雫がガバッと抱きついて来てさすがの僕も狼狽えた。
「太陽っ!太陽っ!!」
泣きじゃくる雫が僕にしがみついて離れないし…。
「だから…どうしたの?
順平と喧嘩でもしたの…?」
雫の髪を撫でながら尋ねた僕を雫が涙でぐしゃぐしゃの顔で見上げる。
「太陽が…泣けないから私が泣いてあげてんのよっ!
太陽が…苦しい時は私がっ…
うぅぅぅぅーっ!」
泣きながら怒る雫に思わず吹き出しそうになる。
ホント雫は…
なんでこんな可愛いんだろ。
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