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プンプン怒って僕に背中を向けた雫にお腹を抱えて笑いながら僕は思った。
…僕も…
ずっと雫が大好きだよ。
でもそれが100%恋愛感情になるまでには、もう少し時間が必要だけど。
だって僕は、一応初めての失恋をしたばかりだからね。
ポケットからハンカチを出して黒い涙を拭いてる雫の背中を見つめながら思う。
本当に大切なのは…
気付けばいつでもそばにいてくれる人。
僕はくしゅくしゅと涙を拭く雫を後ろからふわりと抱きしめた。
「雫、もうちょっと待ってて…?
僕がもう少し強くなって、雫をきちんと守ってやれる男になるまでね」
「アホ太陽…早く大人になりなさいよっ…
アンタ私より2つも年上なんだからねっ!」
「うん、だけど母さんも言ってたよ?
男の子より女の子の方が早く大人になるんだって」
「知ってるわよっ!」
やっぱりプンプンと怒る雫を腕の中に抱え込みながら僕は笑った。
真っ直ぐで素直で温かくて…
いつでも命令口調で僕の恋路を邪魔する幼馴染。
だけど可愛くて、
ホントは誰よりも大切な…
…………僕の…雫…?
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