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「じゃあさ、他の女の子と付き合わないから、キスしてもいい?」
今度は雫を壁際に追い詰めて見下ろしながら僕は反撃する。
こうすると少しだけ雫が女の子の顔に変化するって解ったから。
「バッ…バッカじゃないのっ?!」
そう言いながらも顔を真っ赤にする雫はやっぱり可愛くて…
やっぱり誰にもコイツは渡したくないって思うんだけど…
「僕は雫のなんでしょ?
だったらキスくらいさせてくれてもいいじゃん?」
雫の顔を覗き込んで詰め寄ってみれば、顔を真っ赤にしながら怒り出す。
「い…いい加減にしなさいよっ!!
アホ太陽っ!
この淫乱男っ!」
…ぷぷっ。
ホントに雫はすぐムキになって面白い。
本音を言えば僕も今は、雫にキスなんておでこにするのが精一杯だけど…
いつかその唇に本当に触れられる日が来るのかなぁ?
一番大切だけど…
彼氏でも彼女でもない…
幼馴染だけどそれだけじゃない。
相変わらず曖昧な関係だけど…
「太陽!いい加減に離れなさいよっ!
殺されたいの?」
今にも本当に刺しそうな形相で僕を見つめる雫のおでこに、そっとキスをして僕は微笑んだ。
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