エピローグ

3/3
前へ
/85ページ
次へ
「じゃあさ、他の女の子と付き合わないから、キスしてもいい?」 今度は雫を壁際に追い詰めて見下ろしながら僕は反撃する。 こうすると少しだけ雫が女の子の顔に変化するって解ったから。 「バッ…バッカじゃないのっ?!」 そう言いながらも顔を真っ赤にする雫はやっぱり可愛くて… やっぱり誰にもコイツは渡したくないって思うんだけど… 「僕は雫のなんでしょ? だったらキスくらいさせてくれてもいいじゃん?」 雫の顔を覗き込んで詰め寄ってみれば、顔を真っ赤にしながら怒り出す。 「い…いい加減にしなさいよっ!! アホ太陽っ! この淫乱男っ!」 …ぷぷっ。 ホントに雫はすぐムキになって面白い。 本音を言えば僕も今は、雫にキスなんておでこにするのが精一杯だけど… いつかその唇に本当に触れられる日が来るのかなぁ? 一番大切だけど… 彼氏でも彼女でもない… 幼馴染だけどそれだけじゃない。 相変わらず曖昧な関係だけど… 「太陽!いい加減に離れなさいよっ! 殺されたいの?」 今にも本当に刺しそうな形相で僕を見つめる雫のおでこに、そっとキスをして僕は微笑んだ。 ----- END -----
/85ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1804人が本棚に入れています
本棚に追加