君と俺。

3/7
前へ
/10ページ
次へ
水滴が滴る。 滴る―――。 風呂から上がり、サッパリしたダルシーは、濡れた髪をタオルで拭く。 下着を穿き、腰に巻いていたバスタオルを取る。 「うわあああ 何するんだ、お前!!」 「!?」 突如、隣にある自分の部屋からルームメイトの悲鳴が聞こえてきた。 寝間着に着替える手を止め、慌てて隣の部屋へと移動する。 上半身裸だが、しょうがない!![※正確には下着しか穿いてない] ルームメイトの身の安全を確かめる方が優先だッッ 「誰だ!!侵入してきた奴は!!」 身一つで慌てて部屋に入り、叫ぶ。 「いつ見ても良い身体してるな―――ダル君♪」 そんな変態な言葉を囁く正体は―――。 「またお前か、アメリア。」 いつも学校でしつこく話しかけてくる少年、アメリア・ベンジャミンであった... 普通の奴は俺の姿を目にした瞬間、嫌悪の眼差しで見てくるのに。 コイツは普通ではないようだ。 何処か狂気じみた目で、俺を見つめてくる。 危険だ。 危険。 コイツは危険。 本能が俺にそう告げる。 だから、いつも学校で話しかけてくるコイツは、苦手なのだ。 苦手というか 嫌い 態度で示しているのに、なかなか理解してくれない。 分かっていて未だに付きまとってくるのか‥ どんだけしつこいんだ。 しかも、コイツは・・・ 「いつまでスコット君の上で馬乗りしているつもりだ!!」 「スコット‥…? あぁ、コイツ? 俺の邪魔をする悪い奴だから、スタンガンで‥ちょっとね♪」 「意味分かんねェよ!! さっさと退けよ!!」 声を荒げる俺に、アメリアは何で俺が怒っているか分からないでも云いたげに、首を傾げ。 「何でそんな大声出して‥コイツの心配するんだ? 悪いのはコイツなのに!!」 “コイツ”の部分を強調して、端正な顔から表情が消える。 本当に自分が悪い事が分からないのか!? 部屋に勝手に侵入し、馬乗りになってスコット君をスタンガンで気絶させた。 その事実に今更恐ろしくなり、膝がガクガクと震える。 .
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加