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水滴が滴る。
滴る―――。
風呂から上がり、サッパリしたダルシーは、濡れた髪をタオルで拭く。
下着を穿き、腰に巻いていたバスタオルを取る。
「うわあああ 何するんだ、お前!!」
「!?」
突如、隣にある自分の部屋からルームメイトの悲鳴が聞こえてきた。
寝間着に着替える手を止め、慌てて隣の部屋へと移動する。
上半身裸だが、しょうがない!![※正確には下着しか穿いてない] ルームメイトの身の安全を確かめる方が優先だッッ
「誰だ!!侵入してきた奴は!!」
身一つで慌てて部屋に入り、叫ぶ。
「いつ見ても良い身体してるな―――ダル君♪」
そんな変態な言葉を囁く正体は―――。
「またお前か、アメリア。」
いつも学校でしつこく話しかけてくる少年、アメリア・ベンジャミンであった...
普通の奴は俺の姿を目にした瞬間、嫌悪の眼差しで見てくるのに。
コイツは普通ではないようだ。
何処か狂気じみた目で、俺を見つめてくる。
危険だ。
危険。
コイツは危険。
本能が俺にそう告げる。
だから、いつも学校で話しかけてくるコイツは、苦手なのだ。
苦手というか
嫌い
態度で示しているのに、なかなか理解してくれない。
分かっていて未だに付きまとってくるのか‥
どんだけしつこいんだ。
しかも、コイツは・・・
「いつまでスコット君の上で馬乗りしているつもりだ!!」
「スコット‥…? あぁ、コイツ?
俺の邪魔をする悪い奴だから、スタンガンで‥ちょっとね♪」
「意味分かんねェよ!! さっさと退けよ!!」
声を荒げる俺に、アメリアは何で俺が怒っているか分からないでも云いたげに、首を傾げ。
「何でそんな大声出して‥コイツの心配するんだ? 悪いのはコイツなのに!!」
“コイツ”の部分を強調して、端正な顔から表情が消える。
本当に自分が悪い事が分からないのか!?
部屋に勝手に侵入し、馬乗りになってスコット君をスタンガンで気絶させた。
その事実に今更恐ろしくなり、膝がガクガクと震える。
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