別れの時は刹那に等しく

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静かな夜であった。 冷ややかに辺りを包み込む月とは対象的に星は目映い光を放って輝いていた。 何もない田舎町だけど、この星空だけは好き。 君の横顔を盗み見ると君は星空の先、夜空の先を遠く見詰めてた。 何処をみてるの? 同じ星空を見てるはずなのに、何処か違う。 何となく不安になり、君の手を握ると君はぎゅっと握り返してくれた。 ああ、好きだ。 好き。 君がどうしようもなく好きだ。 繋いだ手をさらに強く握る。もう離れませんように。ずっと一緒にいれますように。 そして、君がゆっくりと振り向く。 ――友梨…。 ――なあに? 「俺、東京行くから」
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