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職員室に入ると、担任は何かの紙を眺めていた。
「あの…」
「おっ来たか、えっとだな実はちょっとした頼みごとあるんだけど」
「……はい」
頼みごとか……
なんてことを思いつつも、俺は担任の次の言葉を待つ。
「まぁ来週転校生来るのは知ってると思うが、実はその転校生に学校とかの案内をやってもらいたいんだよ」
「えぇっ」
職員室に俺の声が響く。
「いや笹原学生寮だろ、転校生も学生寮に入ることになってるからさ、ちょうどいいと思ったんだけど……出来ない?」
丁度いいって………
「いや……えっと他に居ないんですか」
「まぁ居ないってことはないんだけど…」
何故か口ごもりちょっとけわしい顔になる担任。
「いや~、出来れば笹原にやってもらいたいんだよ、同年代だしさ」
「……すいません、やっぱりその人にお願いしてください」
ほんとにそういうのはめんどくさいし…
「そこをさ…」
「……いやでも」
「ほんとちゃっちゃとでいいから」
………………
なんとなく、半強制にやる羽目になる雰囲気が漂い初めたのを感じた俺。
「ほんとすいません……俺そろそろ帰ります」
「えっ!?…おい」
俺は半ば無理やり話を終わらせると、担任から逃げるように職員室を出ることにした。
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