重なる笑顔

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放課後の学校でする事は何もなく、帰り支度を始める為に教室に向かったが既に誰の気配も感じ無かった。田村とは同じ組らしいが、田村の姿も全く見当たらない。 「アイツ…、一人で帰りやがったな。チッ、アイツが画策した騒動なのに、何でアイツは注意を受けんのだ…。」 まぁ、答えは簡単で、俺が実行犯だからだな。 そうこう考えてても無駄だと言うことに気が付いた俺は、俺以外、誰の気配も感じさせない教室から、荷物をもち帰路についた。 途中、玄関に向かう廊下で帰り途中の新入生から、主に男子から、「今日の入学式面白かったです!」だの「最高でした」だのと感謝の意を述べられたが、軽く受け流した。 今は、田村に帰られ、ゴリラに説教と反省文のオマケを貰ったことで、不機嫌だったからだ。 俺は廊下を歩きながら固く決意した。 (田村の野郎…、明日覚えてろよ…。貰った反省文にお前の悪事的画策の全てを書き込んでやる) ドンッ! 「うわっ!?」 「きゃっ!?」 と、玄関に差し掛かるとこの角で誰かにぶつかった。 ぶつかった相手は走っていたらしく、勢いよくぶっ転んだ。 「痛つつ…。チッ、何走ってるんだよ…。おい女、大丈夫か?」 「あ、はい。すいませんでし……た……。」 走ってきた女は、謝りを入れたかと思うと、俺を見て固まった。一体全体どうしたというのだろうか。 すると突然。 「きゃぁぁぁぁぁぁ!!」 奇声を上げてどっかに走り去っていった。 残された俺は女が走り去った方向を見ながら、唖然としていた。 女の奇声を聞き付けた他の生徒や、先公がこちらに来るのが見えたので、当然その場から離れさも何も無かったかのように帰宅をする。 何はともあれ、無事に帰宅できた事へ胸を撫で下ろす。 もしも、あの場面を誰かに見られていて、誤解でもされたらとんでもないないからな。ともあれ、危惧した事がおきなくてよかった。 「さぁて、晩飯食ったら反省文に田村の事も書いて道ずれにしよっと」 と言いつつ飯を食らいつつ、田村にメールを打った。 気になる文面。その中身は…。 『明日覚えとけ。地獄を目の前に泣き叫ぶなよ??』 と、若干脅し的な文面になったけど気にしない。勿論、返信が来ても返さない。 「ふふふん…。田村の野郎は涙を流すことになるな」 一人復習を違う日であった。
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