《そして歯車は回り出す》

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俺は気づくと見知らぬ学校に居た 「月光館高校………じゃないな」 月光館高校?俺の記憶には無いが知識としては存在した 『月光館高校』それは辰巳ポートアイランドにある高等学校だ 「おい!貴様!」 どうやら自分に向けて発した言葉の様だ 「早く教室に入らんか!」 「えっ?あ、はい」 教室に入る事にした 「まったく何故このクラスにばかり都会から転校してくるのだまったく」 ぶつぶつと嫌みをつぶやいている (まるで江古田みたいだな) 江古田この人についての記憶はある 確か前の学校でかなりの不人気教師だった奴だ 「早く自己紹介せんか!」 俺の名前…… 「有里 湊です」 そう有里 湊だ 「かわいそー転校生」 「モロキン組にまた来たかー」 「二人目だな」 「花村入れたら三人目じゃね?」 生徒達は騒いでいる 「ほら!早く座らんか!」 大人しく座った 「っ!これは」 見知らぬ青い本が鞄の中にあった ー昼休みー ここは屋上だ 早速青い本を読むことにした 「ペルソナ…全書?」 確かペルソナとは心理学の用語だ 最初のページをみた 「愚者?」 最初のページにはタロットカードとイラストがあった 「これ……!」 知っているイラストは全て神話に登場する物だ 「あっれー先客だ」 階段の方から声が聞こえた 俺は本を鞄に戻し平静を装った 「あれ?お前転校生の」 「有里 湊君、だったよね?」 「ここは君たちの場所だったか、ごめん今退くから」 「いいって、いいって」 ヘッドホンをした男子が止めた 「横、いいかな?」 灰色の髪をした美形の男子が尋ねた 「構わないよ」 「俺は鳴上 悠、こっちは花村 陽介」 「あたしは里中 千枝ね」 「天城 雪子です」 美形が鳴上、ヘッドホンが花村、緑のジャージが里中、赤いカーディガンが天城、か 「鳴上君に花村君、里中さんと天城さんか、宜しくね」 「君付けか……」 「君付けは無しでいいって」 花村と鳴上は気さくな性格の様だ 友達に……なれるかな?
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