《そして歯車は回り出す》

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ージュネスー 「はぁ~、うんま~!」 「しっかし里中よく食うよな、ほんと」 「花村、食欲旺盛は良いことだよ?」 里中がキラキラした目で湊を見ている 「………何?」 「ありがとー!そんな事言ってくれたの有里君が初めてだよー」 里中は湊の手を取り激しく振った 「うぇっ!?ちょっ!里中さん!」 湊は顔を赤くしながら驚いている 「な、鳴上~」 鳴上に救いの視線を向けるが楽しいのか笑っている 「ふっふっふ~」 里中は意味深に笑い 「ほ~れほれ、かわいいぞよ~」 何度も湊の頭を撫でる里中 「あぁ……と、トイレに行って来ます!!」 湊は顔をトマトの様に赤くしながら走って行った 「あちゃあ……やり過ぎた」 「でも千枝楽しそうだったよ?」 「だってさ、鳴上君はクールだし、花村は問題外だから」 「あんな純情な子珍しいじゃん?」 「あー…それ分かる気がする」 「雪子もそう思う?」 「イジワルしたくなるよね?」 二人が語り合っている時 (有里…大丈夫かな?) 鳴上と花村の心がぴったり重なったとさ ー電化製品売場ー (まだ恥ずかしい……) 少し顔を赤くしながら歩いていると 「あれ?」 鳴上達が一台のテレビの前に集まっていた 「おーい、何してるんだ?」 「うわっ、有里!」 何故か花村が驚いていた 『あれ?ヨースケ、誰か居るクマか?』 「馬鹿、黙ってろ!」 「テレビから声がした様な…」 「あー、これはあれだ、腹話術!」 「花村君、そんな事出来たの?」 天城の疑問が決定的だった 頭の中に次々に単語が浮かんでくる ー影時間ー ー宇宙ー ー少年ー ータルタロスー ーワイルドー 「……何だよ、コレ」 頭痛によってふらつく湊の体はテレビの中に吸い込まれていった
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