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「やめろぉぉぉ「Hey yo-yo ho~」ぉお?」
イケメン(聖夜)が雄叫びをあげている途中、耳元で変な声が聞こえた。
そして、私の手首を掴んでいた手が放され、横から苦渋の声が聞こえる。
「イタイから、イタイ!放してーー」
---えっ、何!?何なの!!
いきなりの展開に私の頭がついていかない。
「だ、誰だよテメェは?」
「……スマン。少し黙っててくれないか」
中田の声に対し最初の陽気な態度は何処に行ったのか、声は低く怒っているかのような声が聞こえた。
「えっ、あぁ」
こんな会話を聞いて、少し冷静さを取り戻した私は閉じていた目を開け周りを見渡す。
さっきまでチャラ男(内田)がいた場所にサングラスにジャージの格好をしたお兄さんが立っていた。
---サングラスが似合うな~この人。
場違いにも変な事を考えてしまう。
サングラスの横から見える目はチャラ男じゃなくイケメンを鋭く睨んでいる。
--あれ?何であの人を睨んでるの?
そりゃ、あの人のほうが格好いいけど、お兄さんも中々のイケメンだよ。
またしても思考回路が脱線してしまう。
しかし、私の考えが伝わったのか、お兄さんは深呼吸をして喋り出す。
「ナンパならもっとスマートにしなくちゃ、なっ!」
そう言って腕を捻られているチャラ男(内田)に笑いかける。
「ほら、そこのつり目の美少女も早くイケメンの下に戻りんしゃい」
中田とイケメンのちょうど間にいたつり目ちゃんはお兄さんの言うとおりにする。
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