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その女性の名前は北沢桃花。
一つ上の剣道部員である。彼女は文武両道、才色兼備、大和撫子などの誉め言葉がかなり似合う女性である。
僕は朱音が好きだが、桃花先輩も好き。
それに、桃花先輩は生徒会の副会長もやっており、僕は会長の志藤要先輩(女)とは仲良くやっているので、それとなく接点のある方だ。
「桃花先輩、わざわざ来なくてもメールしてくれれば良かったのに」
「携帯はあまり好きじゃないし、歩くの好きだから」
クラスの男子はその笑顔でもうメロメロですよ。桃花先輩
「あと、ちょっと橘君にも用事があったからね」
えっ、僕!?
ギロっと音がでそうなぐらい男子の視線が一気に僕に集まる。
「何で、お前だけモテるだよ」「ふざけんなよ」
数々の罵倒が飛び交う。
「要が今日、一緒に昼御飯どう?だって」
「桃花先輩も一緒ですか?」
そんな罵倒など耳にも入らず、僕の耳は桃花先輩の声を聞き逃すまいと神経を集中させる。
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