墓参り

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「な、何でもないよ」 なるべく顔に出ないように笑顔で答えたら、要先輩は顔を赤くして、固まってしまった。 どうしてなのか分からないけど、チャンス! 僕は顔だけ深雪の方に向けて、なるべく小さな声で話しかけた。 「運動会の事は後でメールするから、話しはまた後でね」 「皆には、内緒って事ですね」と嬉しそうに答える深雪。 何を喜んでるかわからないけど、これで朱音には聞かれる心配がない… 離れて食べてて良かった。 やっぱり僕は運がいいな。 「……やっぱり、聖夜は可愛い!!」 硬直状態から復活した要先輩が更にギュッと強く抱きしめてくる。 「恥ずかしいからやめてください」 こんな過激なスキンシップされたら、期待しちゃいますよ。 僕でも付き合えるて思っちゃいますよ… でも、僕は不細工だから無理なんだろうな。鬱だ… 「何よ、いきなり落ち込んで」 僕の苦悩は誰にも分からないよ。 どうして、僕はこんなに不細工なんだろう… 「本当に大丈夫?」 心配そうに要先輩は顔を見つめてくる。 「ちょっと自虐的になってただけなので、大丈夫です」 「心配事があるなら私に相談しなさいよ?」 僕は頷く。 「さっきから2人でイチャイチャしてるんじゃないわよ!」 「イチャイチャしてないよ」 加奈はいつも、僕に怒鳴る。 僕の事、嫌いなのかな…
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