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「何よ!! 私が間違ったこと言った!?」
強く言えない僕は黙るしかない…
「そんなに怒ることないんじゃない?」
凜が僕の代わりに加奈に食って掛かる。
こんな時に頼りになる幼馴染み。
僕の代わりに戦ってくれ!
「聖夜が悪いのよ!要先輩にデレデレするから」
「そんな風に見えるのは加奈だけよ。私には要先輩が聖夜にデレデレに見えるもの」
そうなの!? 知らなかった…
僕は要先輩の方にチラッと顔を向けると、顔を赤くしている要先輩が凜を睨み付けている。
怒ってるじゃないか!
絶対、僕にデレデレなんかじゃないよ…
「だって―――――」
キーンコーンカーンコーン
加奈の声はチャイムにより遮られた。
「はいはい、そこまで。もう昼休みは終わり、この話も終わり。いいわね?」
手を叩き、周りを見渡す朱音。
少し不満そうな加奈と凜は何も文句は言わないので、この話は終わりみたいだ。
流石、朱音だ。
僕をいつも、助けてくれる。
・・・・・・・・・・・
夜、深雪と朱音からメールが届いた。
深雪からは『運動会に一緒に行きましょう』と言った誘いメールだ。こちらには何の問題もないので『了解』とメールを返した。
問題は朱音からのメールである…
『集の両親の墓参りしたんだけど、聖夜と紅葉ちゃん以外にお供えしてた花は誰が供えたかわかる?』
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