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このメールの返信にはどう答えるか頭を悩ませる。
集が供えてないことは確かだ。
だって、集ならば僕らに会いに来るはず…
妹もいるし、僕と凜の事も恨んでるから。
それを朱音にありのまま伝えるのは、あまりにも問題が多すぎる。
転校って事になっている集を朱音が本気で探そうと思ったら、警察の力を使うはず。
そんな事になったら、集の両親の死因が事故死でないことも、集が刑務所に居ることもバレてしまうかもしれない。
そして、この事件に僕が関わってると知ったら、いったいどうなるのか?…………考えたくもない!
朱音が疑問を抱かず、素直に納得させる答えが必要だ。
僕は頭をフル回転させる。
『集の両親に親しい人物だと思う。父さんに尋ねたら、何人か心当たりがあるから聞いてみるって言ってたから、わかったら教えるよ!
あと、紅葉の運動会が今週の日曜日にあるけど、一緒に行かない?』
考えた結果、話を反らすことしか出来ない僕は、仕方なく運動会の話題をだした。
食い付いてくれることを祈って僕は返信ボタンを押す。
数分後
『聖夜もわからないんだ。何かわかったら教えてね。 運動会のお誘い、ありがとう。 久し振りに紅葉ちゃんに会えるのが楽しみに!』
食い付いてくれた。 この話題も嫌なんだけど、被害はこちらの方が少なそう…
背に腹は変えられないか。
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