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この日は自己紹介や授業の時間割、今後の予定の説明だけで終わった。
「明日はテストか、めんどいな」
帰り道良太が呟く。
昨日先生にしぼられたのだろう。
髪は黒に戻っていた。
「しょうがないだろう。県外から人がくるほどの超進学校だし。勉強させたいんだろ」
俺達が通ってる学校は県内で一番の進学校だ。
その分、クラス分けのように区別もしっかりされる。
俺達は最低のH組だが、いくら最低といっても他の学校なら余裕でトップになれるだろう。
「でもよ~、入学したばっかでいきなりテストは気が滅入るぜ」
「おとなしく勉強しろよ。俺は明日のテストで一位とるつもりだぜ。ここまで頭いいやつがいたら、そこまで差はできないだろう」
「そうかもしれないけど…」
まだ良太はうだうだしている。
「ほら、いい成績とったらお前の隣の子に好印象を与えられるだろ」
そういうと良太の顔が輝いた。
「なるほど、俺がんばるよ」
良太がはりきりだした。
単純なやつ…
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