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<帰り道>
傷ついた俺の体に気をつけながら歩く読の顔は険しい。
「ポイントβに向かってくれ」
先程仲間に連絡して、ポイントβまで迎えにきてもらう手筈を整えた。
「わかりました。」
読の顔がいつになく暗い。
「どうした?誰かが死んだのか?」
俺が冗談をいうと、怒った顔をして反論してきた。
「何言ってるんですか!一歩間違えたら先輩は死んでたんですよ」
「だが生きてる」
それで問題ないさ…
俺はそうつぶやく。
「まったく。先輩は本当にお気楽なんだから」
どうやら呆れてるようだ。
結構無茶したしな…
仕方ないか。
「それよりなんで撤退したんですか?先輩の怪我の治療のためですか?」
さっきとは違う、子供っぽくすねた顔。
「あいつの能力は異常だからな。あのままだとお前もやられていただろう」
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