scene1-アンタなんて嫌いっ!

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春、桜の花びらが満開な頃。 暖かな天気、晴れ渡った空の下を、 「うぉぉぉぉお!!遅刻だぁーー!」 わたくし、長山 陸【ナガヤマ リク】は全力で自転車を漕いでおりました。 やっぱり昨日、夜遅くまで本を読んでいのがダメだったな……。 だってヒロインが可愛すぎるんだもん! 今日は委員会を決める日。 俺は風紀委員会に入りたいと思っている。 中学でも風紀委員会だったし、幻夜【ゲンヤ】さんにも薦められて……ではなく、脅迫されている。 「間に合えぇぇーー!!」 もし風紀委員会に入れなかったら、どうなるかは容易に想像がつく。 幻夜さんに包帯でグルグル巻きにされたあと、神山市【カミヤマ】一周をさせられる。 というか、すでに一回させられた。 「あぁ、ラノベに出てきたヒロインみたいな子、いないかなぁ……」 遅刻寸前なのだが、昨日読んだラノベのことを思い出してしまう。 まさに脳内はピンクに染まっている。 舞い散る桜のように……。
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