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春、桜の花びらが満開な頃。
暖かな天気、晴れ渡った空の下を、
「うぉぉぉぉお!!遅刻だぁーー!」
わたくし、長山 陸【ナガヤマ リク】は全力で自転車を漕いでおりました。
やっぱり昨日、夜遅くまで本を読んでいのがダメだったな……。
だってヒロインが可愛すぎるんだもん!
今日は委員会を決める日。
俺は風紀委員会に入りたいと思っている。
中学でも風紀委員会だったし、幻夜【ゲンヤ】さんにも薦められて……ではなく、脅迫されている。
「間に合えぇぇーー!!」
もし風紀委員会に入れなかったら、どうなるかは容易に想像がつく。
幻夜さんに包帯でグルグル巻きにされたあと、神山市【カミヤマ】一周をさせられる。
というか、すでに一回させられた。
「あぁ、ラノベに出てきたヒロインみたいな子、いないかなぁ……」
遅刻寸前なのだが、昨日読んだラノベのことを思い出してしまう。
まさに脳内はピンクに染まっている。
舞い散る桜のように……。
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