考察(あとがき)

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 良くも悪くも、それはこれから先も変わらないだろう。争い、憎しみ、傷付け合い、そして、笑い、喜び、楽しむ。  無限大の遺物が今に至るまでに遺した全ての奇跡を当たり前のように身に纏い、全てという全ては、全て受け継がれていくのである。  “死”とて例外ではない。絶滅した動物も、自殺してしまった悲しい命すらも、望む望まぬを選ぶ余地もなく、なんらかの形で、確実に後世に受け継がれていく。  それは、現代、水や火が当たり前に使えるように、誰に認知されるわけでもない“形無き何か”かも知れない。あるいは新世代の発明品のように、誰しもが認知する“形有る何か”かも知れない。  しかし、“この世に受け継がれていかぬものなどない”…いや、“この世に受け継がれていかぬものなど『存在できない』”と、俺はあの夢から教えられた気がする。
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