4人が本棚に入れています
本棚に追加
「酷いことしてる、って思う?」
俺は恐怖で泣きじゃくる友人に問い掛けた。
「歴史をつくってきた先人達や、自分の先祖や友人、大切な家族の死体を、こんな風に踏みつけて歩くのは。酷いと思う?」
ぐしゃり、とまた一つ頭を踏みつける。
「でも、じゃあ、10年前の人達はどうだっただろう?30年前の人達は…100年前の人達は?」
ぐしゃり。
「生きてる内に、どれだけ死者を弔おうが、敬おうが、祈りを捧げようが…そんなものは、生きてる人間達自身の、単なる気休めでしかない。」
ぐしゃり。
「先に生きてた人達の、先に死んでしまった人達の、続きを歩くという事実は変わらない。」
ぐしゃり。
最初のコメントを投稿しよう!