とある夢の話

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 「続きを歩く…続きを生きるっていうのは、こういうことなんだよ。ずっとずっと、ずーっと昔から、変わってない。違うのは、今、君がこうして気付いたように、その事実に気付くか気付かないか…―ちゃんと向き合うか、理屈を並べて目を逸らすかだ。」  また一つ、ぐしゃり。  振り返ると、いつからか友人は耳を塞いで、泣きじゃくり、ガタガタと震えながらしゃがみこんでいた。  「さぁ、行こう。もうすぐだよ。」  血みどろの、人の頭を踏みつけながら、俺は穏やかに微笑んで友人に手を差し出した。  辺り一面が死体…いや、もう死体と呼ぶべきかどうかすら定かではない、血肉の山と化しているとても恐ろしい、おぞましい光景なはずなのに、その時“その俺”は、なんの恐怖も、嫌悪感も、罪悪感も、何一つ感じていなかった。ただ何か悟りを開いたような、穏やかな、ひどく穏やかな心が一つ、そこにあるだけだった。  俺には、視界一杯に広がる死体の山より何より、そんな心境で居られる夢の中の自分自身を、凄まじく恐ろしく思った。俺は人の生き死にに対して、こんなにも無感情、無関心になれるのか、と。  洞窟の出口のような大きな光は、もう、すぐ目の前まで来ていた。俺が伸ばした手を、友人は震える手で握った。  そこで、目が覚めた。
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