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哲也の影で、ひっそりと“妻”ができればいい。
平凡な毎日でいい。
ただずっと傍にいられればいい。
野球をしている哲也を全力で支える。
それがたぶん私の一生の夢。
哲也を見送って、玄関の鍵を閉めてからまたベランダに出た。
涼しい風。
洗剤のいい匂いと、二人の洗濯物にささやかな幸せを感じる。
今日の試合、勝てるといいな…。
優勝できるといいな。
私と哲也をずっと見てきた眩しい太陽。
そして、空の上にいる哲也のお父さん…。
どうかどうか、哲也を勝たせてください。
…♪♪♪♪♪~
哲也のお父さんの事を考えると、何故か哲也のお母さんから連絡がくる……。
今までは“おばさん”て呼んでたけど、もう“お義母さん”って呼んでるよ。
今日は宮崎からはるばる東京に来てて、今、哲也のお姉さんの麗さんと、麗さんの二人の子供達とディズニーランドに行っている。
携帯を開いたら、お義母さんから写メールが届いていた。
ミッキーマウスと一緒に写る、巧(たくみ)君4歳と良樹(よしき)君2歳のかわいい笑顔。
いいなぁ~!
天気もいいし、やっぱり一緒に行けばよかったな。
でも、夕方の4時には東京駅に行かなければいけない。
うちの両親と待ち合わせ。
今日はみんなで野球観戦。
哲也をいっぱい応援するよ。
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